「アトス僕ね、恋人ができたんだ」


唐突な告白に、読んでいた本がばさばさ、と捲れる。
何を言ってるんだ?と、目線を告白の主のほうに向けると、
にっこりと、まるで天使のような笑顔のアラミスが窓からそよいでくる風に
金の髪をなびかせていた。

「・・・恋人?」
「うん」
「それは・・・」

男のか?女のか?と、続けようとするが、喉が詰まって言葉が出てこない。
代わりに、アラミスが上機嫌に続ける。

「で、銃士を辞めろって言われたんだ」

・・・ということは、相手は男か?

「迷ったけど、頼りがいのある人だし、守ってもらうのも悪くないかなと
思ってね」

やはり、男か・・・

「でね、次の僕の誕生日に結婚式を挙げようってことになったんだ!」
「・・・誕生日、今月の7日か!?」
「そう。もう、すぐ!!」
「6日後・・・」

呟いて、ふと気が付く。
今日は4月1日・・・

「・・・・・」
「アトスも結婚式に来てね〜」
「・・・アラミス」
「ん〜?」
「いくら何でも性質が悪いぞ」
「・・・ふふっ、やっと気が付いた?」

してやったり、満足な顔をしてすたすたと近寄ってくる。
そのままじっ、と顔を覗き込まれた。

「少しは焦った?」
「・・・」
「相手はポルトスってことにしようかと思ってたんだけどね〜」

いたずらな瞳にくらりとする。
「まいったな」と呟くと、小躍りしながら去っていく後ろ姿に
どう仕返してやろうか、思案をはじめるのだった。





直線上に配置






エイプリルフール&誕生日ネタでした。

















inserted by FC2 system