*以下、大人な表現が含まれてます。ご注意ください

















窓から柔らかな月の光が差し込んできている。
頬に触れる指先の感覚に戸惑い、視線を迷わせるとその手に優しい力がこもる。
静かに顎を差し出すと、息が静かに止まった。
冷たく柔らかい唇から熱い吐息が漏れて、じれったくなる位の甘さで求められる。

口内に柔らかい物が侵入してくる感覚にびくりとするが、入り口を薄く開くとゆっくりと湿った舌が
内唇をなぞりそのまま奥を蹂躙する。
体中が痺れる感覚と息苦しさで思わず彼の腕を強く掴むと、ふと熱さから解放された。

「どうした?」
「・・・息が苦しい」
「・・・息を止める必要はないぞ?」
「止めてる訳じゃない」
「そうか」
ふっ、とアトスは笑いを浮かべる。
そして、額や目元や鼻筋に軽く優しいキスの雨を降らせ始めた。

ずるいな、と思う。
止めて欲しかったわけじゃない。けどこの羽が踊るようなキスも心地良い。
先刻とは違ううっとりとした感覚に溺れていると、また頭上で笑う気配がした。

「・・・なに?」
「ん、いや。本当に幸せそうな顔をするなぁと思ってな」
「・・・!!」
「そんな顔をするな。私は嬉しいんだよ?」
「・・・だって!」
「ん?」
「・・・アトスのせいだよ」

それだけ言うと、そっぽを向いてシーツを引き寄せた。
火照った体以上に顔が赤くなっているのが恥ずかしい。
背中越しに優しく抱き締められて、髪を撫でられるとアトスの心臓の音が伝わってきて
温かな気持ちが胸いっぱいに溢れる。

昼間のアトスはそっけないほど冷静で、友人以上でも以下でもない扱いしかしない。
例え二人きりになったとしても、だ。
最初は他愛の無い話をしていたとしても二人きりの時間が長くなれば
私は恋人としての話もしたくなる。

けれど、話の矛先はあっという間に反らされ、恋人として触れようとした腕は空を切る。

私達の関係が周囲に知られることは、絶対に在ってはならない。
だからアトスの行動は正しい。それは判ってる。
けれどその正しさが時にたまらなくなる。

けれどこの気持ちをどう伝えればいいのか判らない。
正しいのはアトス。間違っているのは私、ただ我侭なだけ。
昼間は友人として振舞えばいい。ポルトスやダルタニアンに接しているように。
簡単なことはずなのに。

そしてアトスはきっと、私の気持ちに気づいている。
だから、二人で過ごす夜はとびきり優しくしてくれる。少しづつ、私の反応を探るように、だけど情熱的に。

首筋をゆっくりなぞるとそのまま耳朶を甘噛みされる。
熱い息が吹きかかって体の奥が疼いてくるのを羞恥心から抵抗していると
後ろからまわされたアトスの手が乳房を玩び、その中心を静かに摘むと
自分の腰からふっと力が抜けるのがわかった。

息が乱れ、体の力が入らない。
アトスの唇が舌が、肩から背中に流れていく。
体がびくびくと跳ね、その度に自分とは思えない甘い声が漏れる。
摘まれた胸先は硬くしこり、体中が火照っていく。

「息、苦しいか?」
「え・・・んっ・・・ちがう・・・」
「もっと体の力抜いたらどうだ?」
「そっ・・んなこと・・・言われても」

できるわけない、と言う唇が塞がれる。
啄むように少しずつ、髪を撫でられ腰に回された手が背中から優しく臀部まで
下りていく。

「柔らかいな」
「え?」
「体。触れているのが気持ちいいいよ」
「・・・」
「愛してるよ」
「・・・僕の体を?」
「全てだよ」

抱き合ってる時のアトスは臆面も無く、こういう事を言う。
勤務中とは全然違うよね・・・と心の中で呟くと、再び唇を塞がれる。

「独り言とは感心しない」
「・・・言ってないよ」
「嘘は付かないで欲しいな・・・二人きりの時は」

菫色の瞳が諭すように微笑みかけてくる。
そのまま首筋、耳朶、乳房と熱い息が掛かり、硬くなったアトス自身が蜜を求めているのを感じて、
体に緊張が走る。

「また・・・どうして力むんだ?」
「・・・」
「嘘を付かなくていいと言ってるだろう?」
「嘘なんて・・・」
「正直になればいい。私が欲しくないのか?」
「・・・アトスは?」
「ん?欲しいよ。たまらなくそそられる」
「・・・またそういう事を言う」
「それが私の正直な気持ちだからね。アラミスは?」
「・・・」
「アラミス?」
「・・・欲しい」

体の中心に楔が打ち込まれるような感覚。
アトスと繋がっているときの、込み上げるような幸福感は何にも替えられないものだと
遠のく意識の中で深く噛み締めた。








二人で迎えた朝は目覚めた時の肌の温もりが気持ちよくて、つい出勤の意思が鈍る。
体を起こすことを躊躇していると、アトスになだめるように抱き起こされた。
朝の気だるさに任せて、甘えてみる。
「アトス・・・」
「ん?」
「あのね・・・」
「うん」

言いかけてやはり躊躇する。
アトスは僕の戸惑いを察して抱き締める腕に力を籠めた。

「アラミス・・・愛してるよ」
「うん。僕も・・・」

今はそれだけでいい。
ゆっくりと目を開いて、アトスの唇にそっと寄せて"愛してる"と彼に伝えた。



直線上に配置





アトスとアラミスのひたすら甘いお話を書いてみよう!と思い
ちょっとエロも交えつつ・・と思ったら、何だか変な話になってしまった。
アトス、最中にしゃべりすぎ・・・

途中で投げ出しそうになりましたが・・・(あまりにむずかゆくて・・・)
これを書き上げなきゃフランス上陸はできんぞ!と気合を入れてみましたが
空回り・・・?

ってことで月末、彼らの活躍の舞台へ行ってきます〜〜。久々のパリ☆






















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