「アラミス!ア〜ラ〜ミ〜ス〜!!」

朝の喧騒が始まる頃、戸を叩く声に起こされたアラミスは
その声の主を確かめ、薄く入口を開けると中に招き入れた。

「ダルタニアン・・・何だよ朝から・・・」
「アッ、アラミス!お誕生日おめでとう!」
「え?」
「デートしよう!」
「・・・はぁ?」

そう言うと少年は張り切った笑顔で花を差し出した。
可愛らしいチューリップ1本。

ピンク色のチューリップ・・・

あまりの愛らしさに思わず笑みがこぼれた。

「これを僕に?」
「今日は自分のことは"ワタシ"って言ってよ」
「?」
「いいから!今日は俺が君をエスコートしてデートするんだ!だから・・・!」

鼻息荒くまっすぐに"彼女"を見つめる瞳の真意を察したアラミスは
すっ、とその花を受け取ると艶っぽく視線を流した。

「これを私にくださるの?ありがとう。ダルタニアン」
「・・・う、うん」

聞いたことの無い声で応えられ、思わずたじろいでしまう。
よく見れば寝着のままのアラミス。
女らしい体のラインが薄い布を通して見えるような・・・

くらり、と酔っ払うような感覚に慌ててもう一つのプレゼントを取り出した。

「これ!着てきて!!」
「これは?」
「アラミスに何色が似合うか判らなかったんだけど・・・やっぱり藍色かなって」
「・・・これを着るの?」
「そうだよ!も〜、早く着てきて!街に人が増える前に出掛けないと!」

その必死な様子が可笑しくて、はいはいと二つ返事にアラミスは
部屋で着替えを始めた。

私の誕生日は明日なんだけどね。
しかもアトスと逢う予定だし。
ま、言わないでおけばいっか・・・

心の中で呟く。
袖を通した服の、普段とは違う裾の感覚がくすぐったくて何だか気持ちよく
アラミスは軽く紅も引いてみようかな、と鏡の前でニコニコと身支度を続けた。

「アラミス〜?まだ〜〜?」
「んー、もうちょっと・・・」


直線上に配置



誕生日にも間に合いませんでした・・・
こんどは軽めのダルアラです。

この時代のドレスって・・・やっぱサイズオーダーですかね?
ダルがボナシューさんに「肩はこれだけで〜、腰はこれくらいで〜
む、胸は大きめで・・・」って口頭で伝えたってことで脳内補完。

←ダルのことだからアラミスとの数ある接触で正確に覚えてそう。

















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