終わったんだ・・・。小さくなっていくベルイール島を見つめながらアラミスは何ともいえない虚脱感を覚えていた。 数時間前、ベルイール島での出来事。 マンソンの遺体は無残な姿で打ち上げられていた。 そして最期に立ちあったアラミスが遺体確認を行うことになった。 「大丈夫?アラミス」 「ん。人の死姿になら慣れているから」 「そうじゃなくて、その・・・」 心配するダルタニアンにアラミスは大丈夫だよ笑みを残して遺体置き場となっているテントに入っていった。 冷たくなった"それ"は顔面からたたきつれられたのだろう、そこから判別はできなくなっていた。しかし、着衣や体型からアラミスはマンソンであると判断した。 (これはマンソンだ。私は仇を討つことができたんだ・・・!) 「まちがいなく逆賊マンソンだ」 そう検分役に言い残すとテントを足早に去った。 --------------- (全て終わったんだ) もう一度ベルイール島を振り返り、アラミスは自分に言い聞かせる。 これからどうするか、どうすればいいのか、まだ考えられない。 ただ、フランソワに会いたかった。 |