「じゃあロシナンテのこと頼むよっ」 「えぇ!?、お〜いダルタニアン〜」 ダルタニアンは意気揚々と銃士隊の屋敷の中に入っていってしまった。 残されたオイラは金髪の銃士を見あげる。 彼は機嫌悪そうにロシナンテのことを睨んでいた。 まったく・・・決闘の原因をそのままにしていくなよ・・・。 「その馬、どこか他のところに繋いでもらえないかな?」 「いや〜、もう暴れないとは思うよ。元々はとっても大人しい馬だしさ!」 「だからっ・・・いや、こんな小さな子ども相手に言っても仕方ないか・・・」 そう言って更に期限悪そうに、栗が絡んだ髪を気にかける。 子ども扱いされてムカついたオイラは反撃に出る。 「そんなに栗のイガが気になるならこの木の下から離れればいいじゃないか」 「・・・今日は日差しが強いから、日陰に居たいんだよ・・・」 「へ〜んなの。日焼けが嫌だなんて貴族のご婦人みたいだな」 「何だとっ!?」 さすがに本気で怒ったみたいだ。眉をつり上げてオイラのことを睨む。 こうやって改めて見てみると本当に白い肌と金の髪、碧い目をしてて、 銃士にしておくのはもったいないくらいだ。こういう美貌の持ち主が野蛮で有名な 銃士隊に居るなんてなぁ。どこかのお偉方の愛人になっていい思いをしてるものだよな〜 そんなオイラの勝手な妄想を遮るように、金髪の銃士は大声を張り上げて 剣術の指導を始めていた。イライラしてるのか、へっぴり腰の新米銃士には蹴りが 入っている。あははは、オイラのせいかな〜・・・ まぁ日焼けを嫌がったり、髪に栗のイガをひっかけたくらいで怒った理由は この少し後でわかったんだけどね・・・ おまけ |