「ねぇ、ポルトス。やっぱり男はああいう女がいいの?」 ナナ=ベルナールの事件からの帰り道、アラミスが不機嫌そうに俺に尋ねた。 「ああいう女ってナナ=ベルナールのことか?」 「うん。ああいう色気を振りまく女さ」 「そうだな〜、まぁパリ一番の美人女優だしな。男なら一度お相手願いたいかもな」 「ふ〜ん、ポルトスもそうなんだ?」 「あ、ああ、ん〜、まぁそんな機会は無いだろうけどな。は、ははは・・・」 お相手願いたいなどと言ってしまってから、ムクれているアラミスに気がついた。 しまった、と思ったがもう遅い。 「じゃあアトスもそうなの?」 まったく、自分が今どんな顔をしているのか、こいつわかっているのか? しょうがない奴だな、、と"彼女"の頭をポンポンと叩く。 「アトスは簡単に女の誘いに乗るようなやつじゃないさ」 「そうかな?」 「おう、それくらいお前もわかってるだろ?」 「うん・・・」 嘘も方便、アトスだって男だ。適当に女を連れ込んでいることは俺は知ってるが・・・ 男だらけの銃士隊に居るくせに、恋する男への幻想は未だ抱いてるのか? 今までの恋人がよっぽど聖人君子な男だったのか? 少女のような顔で嫉妬をあらわにするアラミスを可愛らしく思いながら、 今頃ナナとよろしくやってるだろうアトスを恨めしく思った。 |